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2017年3月26日 (日)

モアナと伝説の海

 南の島に住む少女の冒険を描いたディズニーアニメ映画「モアナと伝説の海」を見てきました。
 封切3週目日曜日、新宿ピカデリースクリーン8(157席)午前8時10分の上映は8割くらいの入り。

 幼い頃に卵から孵ったばかりのウミガメを鳥から助けて海に好かれた南の島に住む村長の娘モアナは、サンゴ礁の外の海に好奇心を持ち続けていたが、父トゥイからサンゴ礁の外の海に出ることを固く禁じられていた。トゥイ自身が若いころ仲間と外海に出て大波に遭い仲間を失った苦い経験をしていたためだった。成長したモアナは村長を継ぐ決意をしたが、ヤシの実が水分を失い、内海で魚が獲れなくなって、モアナの知恵では解決できない危機が訪れ、モアナは、幼い頃祖母から聞かされた人間の英雄マウイが世界を創造した女神テ・フィティの心を奪ったため暗黒が訪れたという伝説を思い出し、マウイを探し出してテ・フィティに盗んだ心を返させようと、海へと漕ぎ出すが…というお話。

 少女の冒険と成長がテーマで、それはよく描かれていると思うのですが、物語(伝説、童話)としては、モアナが帰還した(一応ネタバレではありましょうが、この設定でモアナが帰還しないという進行はあり得ないでしょう)際に、モアナが冒険に出る前に生じていた問題(ヤシの実が水分を失ってカスカスになっている、内海で魚が獲れない)が解決したという描写がはっきりなされていないのは、不完全燃焼感があります。海洋の民としての本分を取り戻すというところにポイントがあったのかもしれませんが、それであれば、女神にマウイが盗んだ心を返すということは必要なかったわけで、ディズニーにしては、抜かりがあったと思います。

 本編上映前の短編アニメは、健康管理と単調なデスクワークに縛られたビジネスマン(そう言えば、今どきにしては、女性労働者も同時に描こうという努力が見えなかったような…)の悲哀を描き、たまには自由にやりたいようにやろうよというものでしたが、春休み公開のアニメのターゲット層のお子様連れ(字幕版上映ではわずかしかいませんでしたけど)にはちょっと物悲しいかと思います。

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