ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります
40年住んだ自宅の売却をめぐる老夫婦の思いと決断を描いたしみじみ・ほのぼの系映画「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」を見てきました。
封切り3週目日曜日、シネマカリテ1(96席)午前11時40分の上映は、8割くらいの入り。観客の多数派は女性2人連れとカップル、年齢層は高めでした。
ブルックリンのマンションの最上階5階に住む老夫婦アレックス(モーガン・フリーマン)とルース(ダイアン・キートン)は、マンションにエレベーターがないため、アレックスと愛犬ドロシーの散歩の帰りの階段で、アレックスは息切れし、ドロシーも疲れてうずくまる状態で、ルースはマンションを売りに出して引っ越そうと、不動産業者の姪リリー(シンシア・ニクソン)に売却を依頼する。内覧会の前日、ドロシーの様子がおかしいので動物病院に連れて行くとCT検査が必要で費用は1000ドルと言われ、検査の結果、椎間板ヘルニアと診断され手術費用は最低でも1万ドルと言われてしまう。ブルックリンとマンハッタンを結ぶウィリアムズバーグ橋にタンクローリーが乗り捨てられ、逃走した運転手がイスラム系だったことからそれがテロリストの仕業と疑われ、テレビニュースはその報道一色になる。リリーには100万ドルで売れるかもと言われていたが、テロ騒動で不動産価格は暴落し、内覧会に訪れた客からのオファーは88万ドル止まり、アレックスは断るべきだと主張するが、ルースはアレックスを連れて新居候補の物件の内覧に行き、気に入った物件を見つけ、アレックスと話し合って110万ドルと言われた物件に93万ドルのオファーをし、それで落札してしまい…というお話。
若い頃、40年前には、帰還兵の新人画家とヌードモデルとして出会い、全米50州のうち30州で黒人と白人の結婚が禁じられ20州で嫌悪されていた時代に結婚した、行動力溢れるカップルだった2人が、年老いてしみじみと柔らかい関係へと移行し/移行している姿が微笑ましい。モーガン・フリーマンとダイアン・キートンの交わす視線と表情がとてもいい。作品全体が「女房も畳も馴染んだのがいい」と言ってる感じがする。
ありきたりの仲のいい夫婦の日常を描いている作品に見せながら、穏やかな表情を続けるモーガン・フリーマンが、テロリストの疑いをかけられたタンクローリー運転手が警察に投降する姿を見て、思いを馳せるシーンが印象的で、油断ならないものを感じました。
マンションの内覧会を渡り歩く母親に連れられた少女ゾーイ(スターリング・ジェリンズ)がおしゃまでかわいい (^^ゞ
犬のCT検査が1000ドル(約11万円)、椎間板ヘルニア手術が1万ドル(約110万円)というのがすごい。日本でもCT検査数万円、椎間板ヘルニア手術20~30万円くらいするみたいですが、健康保険効かない(ペット用の民間の医療保険はあるようですが)から人間よりずっと高い。愛犬にはそれくらいかけるんですかねぇ。
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