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2022年12月

2022年12月18日 (日)

アバター ウェイ・オブ・ウォーター

 世界歴代興収第1位を誇る(いったん「アベンジャーズ/エンドゲーム」に抜かれたが、その後中国での追加公開で奪還したとか)「アバター」(2009年)の続編「アバター ウェイ・オブ・ウォーター」を見てきました。
 公開3日目新宿ピカデリーシアター6(232席)朝8時20分の上映は3割弱の入り。まぁ日曜日の午前8時台に見に来る客は少ないですが、ちょっと心配になる客席具合。この時間帯(午前8時から)最大スクリーンのシアター1(580席)を公開6週目に入った「土を喰らう十二ヶ月」(ジュリ~~!)にあてがった新宿ピカデリーの判断は…

 地球人(スカイ・ピープル)の侵略を跳ね返し、10年余が過ぎた惑星パンドラでは、地球人とナヴィのDNA結合体として作成されたがナヴィの仲間としてパンドラに残ったサリー・ジェイク(サム・ワーシントン)がネイティリ(ゾーイ・サルダナ)と結ばれ、子どもたちとともに平和に暮らしていたが、再度、マイルズ大佐(スティーブン・ラング)らが裏切り者ジェイクを抹殺すべくナヴィが暮らす森に侵入し攻撃を始めた。子どもたちに危機が迫り、地球人の子でパンドラに残りともに暮らしていたスパイダーがマイルズ大佐の手に落ち、ジェイクらは森から離れ、海辺の民に合流するが、マイルズ大佐らはジェイクらが逃げ込んだ海辺を探り当ててジェイクの引渡を求め…というお話。

 前作よりもさらに3DCGの技術が進み、特に水中の描写や空中と水中との間の移動などのリアルさ、美しさは特筆すべきものであろうとは思います。
 しかし、本格的な3DCGの最初というべき作品であった前作での驚きは、13年を経てすでに3DCGに慣れてしまった目には、再現されません。ナヴィを土人形のようなものとして造形しているが故にどんなに作り込んでも、これは実写ではなくCGだと意識し続けるということがなければ実写かと勘違いしかねない映像の技術水準は確かに高いのだとは思います。しかし、それは感心ではあっても、感動や驚きとはもはや言えないように思えるのです。

 ナバホ族をイメージしたアメリカ先住民を迫害する身勝手で横暴なアメリカ人というテーマをハリウッド大作で取り扱う(同じ年に元妻が監督したイラク占領米軍を賛美する映画にアカデミー賞をさらわれながらも!)という前作の心意気は、同じ設定ですから引き継いではいるのですが、それも、前作の続きだからねというレベルで新たな訴求力はないように思えます。
 こう言っちゃ悪いですが、ジェームズ・キャメロン監督が、続編を作るのに、舞台を水辺にしたらCGの高い技術力・表現力を見せつけられるし、「タイタニック」(1997年)ネタも使えるじゃん、と思って構想したのかなと思ってしまいます。

 3D眼鏡で字幕が読みにくいというハンデがあったせいか、前作で死んだはずのマイルズ大佐がどうして再登場したのか(DNA結合体なんか作れる設定だからどうにでもなるんでしょうけど)、ジェイクとネイティリの娘として暮らしているキリがなぜ突然地球人のグレイス・オーガスティン博士を母と呼ぶのか(キリは養女らしい)とか、見ていて設定が理解しにくいところが少なからずありました。

 映像の美しさは、3時間12分の長尺をあまり長いと感じさせないくらいの力があります。前作が画期的な作品であったがために、その記憶と比較して感動の薄れを指摘してしまうのですが、絶対評価としては、やはり見る価値がある作品だと思います。

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