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2021年8月

2021年8月21日 (土)

うみべの女の子

 不器用に体を重ねる中学生女子と男子のすれ違いを描いた映画「うみべの女の子」を見てきました。
 公開2日目土曜日、ヒューマントラスト渋谷 odessa シアター1(200席)午前9時50分の上映は、7割くらいの入り。

 小さなごみごみした浜辺のある地方都市に住む中学2年生の佐藤小梅(石川瑠華)は、チャラい先輩三崎(倉悠貴)に告白するがフラれオーラルセックスだけを求められ、同期生で1年の時に小梅に告白してきた磯辺恵介(青木柚)を誘ってセックスする。磯辺からキスを求められてそれは拒み、佐藤が自分のことを好きになってつきあうことはないのと聞かれて、ないと答えた小梅は、その後も学校のトイレや磯辺の部屋で磯辺とのセックスを繰り返したが、磯辺は小梅の体を求めつつ次第に冷めた態度を取るようになり…というお話。

 原作の漫画は全然読んだことないのですが、映画で見る限り、自分のことでいっぱいいっぱいで相手のことを思いやれず、自分の気持ちに素直になれず、不必要に苛立ち、苛立ちをまずぶつけてしまう不器用さ、恋愛を難しくするタイミングのずれといったことから生じる2人のすれ違いを切なく見る作品なのだなと思いました。
 海辺を美しくではなく、ごみごみした寂れた浜辺と印象づけるためか、今ひとつクリアでない映像が採用されていて、冒頭からそちらの印象を強く感じました。
 エンディングで、たぶん映画の撮影中に撮った写真が次々写されて、まぁ微笑ましいんですが、右下に「ISOBE CAMERA」とか「KOUME CAMERA」とかの表示があって、そうならそれぞれの立場から見たシーンやキャラの捉え方の違いなんかが反映されているかと思って見ていたのですけど、たくさん出てくるうちにあんまり変わらなく感じられました。「ISOBE CAMERA」の写真に磯辺も写っているし、「KOUME CAMERA」の写真に小梅も写っているし、それなら写真のチョイスで違いを出せよって思うんですが。
 ヒューマントラスト渋谷シアター1。昨年10月から「高域、低域を1つのスピーカーから出力することにより、従来スピーカーでは再現できなかった正確な音域を全席で解放。セリフや環境音をより正確に伝えることで、映画の持つ感情をよりリアルに、より鮮明に、お届けいたします。」「【odessa theatre】の特徴に加え、さらに音を堪能するためにボリュームをプラス。【odessa vol+】では耳だけではなく、全身で体感していただきます。音に包まれる新感覚音響体験をぜひお楽しみください。」という odessa シアターになってると、本編前に告知があるのですが、その告知直後の「映画泥棒」ビデオはよそで聞くのと変わらないし、本編も、カミさんは音が異常に大きいと文句いってたけど、私はあまり違いを感じられませんでした。耳が悪い?


2021年8月15日 (日)

ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結

 DCコミックの悪役たちが減刑と引き換えに危険なミッションに挑む「スーサイド・スクワッド」の続編「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」を見てきました。
 公開3日目東京23区西部大雨・洪水警報下の日曜日、新宿ピカデリーシアター2(301席:販売147席)午後1時30分の上映は8割くらいの入り。

 アメリカの刑務所に収監中の囚人サバント(マイケル・ルーカー)らは政府高官アマンダ・ウォラー(ヴィオラ・デイヴィス)の命で、減刑と引き換えに体内に爆弾を埋め込まれて命令違反をすると爆死させる条件で、南米の小さな島コルト・マルテーゼの独裁者が開発した地球外生命体スターフィッシュによる生物兵器を要塞ヨトゥンヘイムごと抹消するというミッションを課せられた。招集を拒否したが万引で逮捕された娘の処遇を人質に参加せざるを得なくなったブラッドスポート(イドリス・エルバ)は、平和のために大量殺人をいとわないというピースメイカー(ジョン・シナ)、ネズミ使いのラットキャッチャー2(ダニエラ・メルシオール)、水玉を放出して敵を倒すヒーローのポルカドットマン(デヴィッド・ラストマルチャン)、あらゆるものを食い尽くす鮫男キング・シャーク(シルベスター・スタローン)とともに島に上陸し、別部隊で生き延びたリック・フラッグ(ジョエル・キナマン)、ハーレイ・クイン(マーゴット・ロビー)と合流し、兵器開発者シンカー(ピーター・キャパルディ)を捕らえて要塞に挑むが…というお話。

 重大犯罪者を脅しつけて危険なミッションへの参加を強要する政府高官の悪辣さが、「極悪人」よりも際立ち、そういった権力者の非道ぶり、自国政府の悪質さ加減を平然と描いているのは、娯楽作品ながら、アメリカの自由さを感じさせます。
 他方で、強要されたミッションという設定ではありますが、悪役たちが最終的には自主的に世界をとか市民を救うというストーリーには、どこか違和感を持ちます。ガメラやモスラがいつの間にか人間の味方になり、キングコングがともだちになってしまったような…。悪役には、悪役としての矜持を持っていてもらいたいなぁと思います。

 娯楽作品として、うまく流しうまくまとめていると思いますし、ビジュアルでは鳥やネズミ、クラゲ風のカラフルな魚(?)たちのCGに感心しますが、最後が怪獣映画になってしまうのが、今ひとつに思えました。
 「スーサイド・スクワッド2」ではなくて「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」というタイトルなのは、前作と共通のキャラがアマンダ・ウォラー以外では、リック・フラッグ、ハーレイ・クイン、キャプテンブーメランだけと少なすぎるせいでしょうか。原作タイトルは、前作が “ Suicide Squad ” 今作が “ The Suicide Squad ” と、the を付けただけですが。
 ラストに続編を示唆するカットがあります。今回「スーサイド・スクワッド2」としなかったことで、続編のタイトルはどうするのでしょう。

2021年8月 8日 (日)

ワイルド・スピード ジェットブレイク

 ワイルド・スピードシリーズ第9作「ワイルド・スピード ジェットブレイク」を見てきました。
 公開3日目日曜日、新宿ピカデリーシアター2(301席:販売147席)午後0時45分の上映は8~9割の入り。

 世界中のあらゆるコンピュータに侵入しあらゆる兵器を自由に操ることができるシステム「アリエス」を飛行輸送していたミスター・ノーバディ(カート・ラッセル)が襲われ、ビデオ通報を受けたドミニク・トレット(ビン・ディーゼル)らは墜落地に向かうが、大部隊の襲撃・追撃を受け、最後にやってきたジェイコブ(ジョン・シナ)にアリエスを持ち去られてしまう。ドムの父ジャック・トレットはレーサーだったがレース中にレーシングカーが発火炎上して死亡した。ドムはパイプのひび割れが放置されて発火したと判断し、整備を担当していたジェイコブが父を殺したと見て、けんか別れになり、その後ジェイコブは兄を怨み続けていた。ジェイコブを探して旧知の人脈をたどりロンドンを訪れたドムは、ジェイコブの意を受けた者にまんまとさらわれて、ジェイコブを支える富豪の息子オットー(トゥエ・エルステッド・ラスムッセン)の豪邸に呼び入れられるが…というお話。

 まぁ、ある意味ストーリーはどうでもいいシリーズではありますが、自由な生き方を志向し仲間(ファミリー)を大切にすることを強調するドムらが、悪役と戦い世界を守るみたいな話に巻き込まれていくパターンが続いています。
 今回は、第9作にして初めて突然、主人公ドムの父親や弟が登場し、ドムの青年時代が描写されます。
 シリーズ途中で2番手キャラだったブライアン(ドムの妹ミアの夫)が俳優が死んでしまっていなくなり、ドムらに事件を持ち込むFBI捜査官役だったドウェイン・ジョンソンが最近はジュマンジシリーズとかジャングル・クルーズとか主役を張れるようになって脇役で出ていられなくなったのか登場せず、その分、新たに弟ジェイコブを登場させ、死んだはずのハン(サン・カン)を復活させたりしてメンバーを増やしたのかなと思えます。
 その辺りのテキトーさ加減は、このシリーズはそういうもの、アクションができる前提があればそれでいいじゃんと思って見ましょう。

 毎回、新たなアイディアを入れたカーアクションが売りの作品ですが、今回は超強力電磁石です。崖っぷちで車を飛行機が拾い、周囲の金属製品や車を吸い寄せて追跡車にぶつけて攻撃し、敵の装甲車に自車を接着させて乗り移り、巨大車両の前部に自車を接着させてブレーキをかけて倒立・回転させるといったところが見どころです。
 ラストにまた続編作るぞというほのめかしをしていますが、次はどういうアイディアのカーアクションを見せてくれるのでしょうか。

2021年8月 1日 (日)

イン・ザ・ハイツ

 ブロードウェイミュージカルを映画化した「イン・ザ・ハイツ」を見てきました。
 公開3日目日曜日、緊急事態宣言&オリンピック開催中の映画サービスデー、新宿ピカデリーシアター8(157席:販売75席)午前10時20分の上映は、ほぼ満席。

 ニューヨーク・マンハッタン北部の移民集住地区「ワシントンハイツ:Washington Heights」に住むドミニカ移民のウスナビ(usnavi:アンソニー・ラモス)は、雑貨店(コンビニ)を経営し、店に通うネイリストのヴァネッサ(メリッサ・バレラ)に恋心を抱きつつ告白できないでいた。地域の期待を受けてスタンフォード大学に入学したニーナ(レスリー・グレイス)は、寮の白人学生のネックレスが紛失したというので荷物検査をされ、また学費の支払いのために父親が店を半分手放したことを苦にして大学に退学届を出してワシントンハイツに戻ってきた。ニーナの父はニーナに大学に戻ることを求め、置いて行かれた恋人のベニー(コーリー・ホーキンズ)はニーナの帰還を歓迎する。ウスナビは亡き父がドミニカで経営していた店を手に入れ、年来の希望の帰郷に向けて動き出すが、従弟のソニーの計らいでヴァネッサとデートできることになり…というお話。

 底辺ではないけれども、裕福とは言えず何とか生活している中南米からのヒスパニック・ラテン系移民たちの悩み・苦しみと強さをテーマとする作品です。
 「イン・ザ・ハイツ」のハイツは、特定の建物のことかと思いましたが、「ワシントンハイツ」というマンハッタン北部の移民集住地区の名称のようです。

 街中での群舞と、終盤のニーナとベニーの壁面でのダンスのビジュアルの美しさが印象に残ります。

 ストーリー展開の根幹に関わるところなので、具体的には書きませんが、ラスト付近で、それまでの設定(前提)がひっくり返されますが、これは反則なんじゃないかと思います。ずっと気を揉み、そうなるのはどうもしっくりこないなぁと思いつつ見ていたところなので、落としどころとしては理解できますが、しかし…

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