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2016年10月

2016年10月31日 (月)

インフェルノ

 ダン・ブラウンのラングドン教授シリーズ第3作を映画化した「インフェルノ」を見てきました。
 封切3日目日曜日、新宿ピカデリースクリーン6(232席)午前11時20分の上映はほぼ満席。

 頭部を負傷し数日間の記憶を失ってフィレンツェの病院で目覚めたラングドン教授(トム・ハンクス)は、暗殺者ヴァエンサ(アナ・ウラル)の襲撃を、担当医シエナ(フェリシティ・ジョーンズ)の導きで辛くも逃げ、シエナのアパートに逃げ込んだ。上着のポケットに入っていた指紋認証のバイオチューブから出てきたポインターを操作すると、人口増加を放置していては100年後に人類は滅亡すると説きウィルスによる人口の抑制を主張する生化学者ゾブリスト(ベン・フォスター)がウィルスの隠し場所を示唆していると思われるボッティチェリの地獄絵が映し出された。ラングドンを追ってシエナのアパート前に次々と集結したヴァエンサ、WHOの監視チーム隊長ブシャール(オマール・シー)、WHOの事務局長シンスキー(シセ・バベット・クヌッセン)らをすり抜けて、シエナとラングドンはヴェッキオ宮殿に向かう。「依頼者」から24時間後に公表するよう指示されたビデオを見て、依頼者の計画が人類の半減を招くウィルスの散布と知った総監シムズ(イルファン・カーン)は、ヴァエンサにラングドンの殺害を指示し、ポインターの謎を追うラングドンとシエナをヴァエンサとシムズ、ブシャール、シンスキーがそれぞれに追い…というお話。

 ゾブリストのウィルス散布計画とウィルスの所在をめぐる謎解きと、ラングドンが記憶を失い襲撃された経緯と背景をめぐる謎解きが絡み合いながら展開していきます。後者のラングドンを襲った者とラングドンがポインターを持つに至る経緯などは、アクションとともに明かされていくのですが、前者のラングドン教授の本領を発揮すべき宗教象徴学的な謎解きは、映画としての前作「天使と悪魔」同様、映画としてはわかりにくいというか、もっとゆっくり見せ場にしてほしいなぁと思いました。
 ラスト近くのラングドンとシンスキーの大人の雰囲気のある会話、正確には記憶できていないのですが、僕との関係について別の道を考えたことはなかったのかい、物語には謎(ミステリー)があった方がいい、あなたと私の間にもね、みたいなセリフが味があってよかったと感じました。前半の展開からは、ラングドンとシエナの間にロマンスが生じるのかと思いましたが、そこはもう年齢的に無理ということだったのでしょうか。

2016年10月23日 (日)

スター・トレック BEYOND

 スター・トレック新シリーズ第3作「スター・トレック BEYOND 」を見てきました。
 封切2日目日曜日、新宿ピカデリースクリーン3(287席)午前10時25分の上映は8割くらいの入り。

 5年間の深宇宙探索の任務3年目に入った宇宙船USSエンタープライズ号のジム・カーク船長(クリス・パイン)は、惑星連合の巨大宇宙都市ヨークタウンに寄港した際、船を降りてヨーク・タウンの副提督への就任を申請し、後任の船長にスポック(ザッカリー・クイント)を推薦する。他方、スポックは、バルカン人再興のためにバルカン人の子を増やす必要を感じ、バルカン人と一緒になるために地球人の恋人ウフーラ(ゾーイ・サルダナ)に別れを告げる。ヨークタウンに救助を求める信号を送ってきた遭難船の救助に向かうことになったカークとスポックは互いに胸の内を伝えられないまま、待ち受けていた宇宙船からの攻撃を受け、USSエンタープライズ号は主エンジンを失い、クルーは脱出ポットで惑星にばらばらに降り立ち…というお話。

 新シリーズ第2作でやや円熟味を見せたカークは、クルーの意見を聞かず暴走する場面もなく、クルーとの信頼感・チームワークを尊重し、温厚で模範的な船長ともいえる態度で、第3作ではカークの円熟味・成長を超えて、老いを感じさせています。スポックは、ウフーラとの関係で人間味を見せ、カークとの間でも人情味のある表情の場面が多くなっています。
 機関士スコッティ(サイモン・ベッグ)、医師ボーンズ(カール・アーバン)、パイロットスールー(ジョン・チョウ)らクルーの見せ場も用意され、チームの勝利的な演出もなされています。
 他方、敵役のクラール(イドリス・エルバ)の設定は、本来的にはその背景事情に深みを持たせうると思うのですが、「ウルトラマン」のジャミラと比較しても複雑な感情や哀感を誘う描きぶりがなく、そこにやや物足りなさを感じました。経緯はどうあれテロリストはテロリストでしかない、という割り切りが、アメリカ的/いや日本も含めた現代の世情、でしょうか。

2016年10月16日 (日)

何者

 朝井リョウの直木賞受賞作を映画化した「何者」を見てきました。
 封切2日目日曜日、新宿ピカデリースクリーン6(232席)午前10時35分の上映は9割くらいの入り。

 演劇サークルで脚本を書いていたがタッグを組んでいた演出家烏丸ギンジが独立して別の劇団を作り喧嘩別れになって自分は引退した二宮拓人(佐藤健)は、ルームシェアしている学生バンド「オーバーミュージック」のヴォーカル神谷光太郎(菅田将暉)、拓人が思いを寄せるが光太郎に心を奪われている同級生の田名部瑞月(有村架純)、瑞月が留学生交流会で知り合った小早川理香(二階堂ふみ)とともに就職活動を始める。4人と理香の同棲相手の宮本隆良(岡田将生)は、一堂に会してエントリーシートを書く練習や情報交換をしながら、同時進行で黙ってその状況をツィートしたり、志望先を隠して面接に出かけてばったり出会って驚いたりと、微妙な心のとげを抱えながらそれぞれの就活を進めていた。拓人は、バイト先の先輩沢渡(山田孝之)から、ギンジを隆良と同じとまとめて切り捨てるのは間違いだと指摘され、田舎の家を飛び出してきた母を抱えて大企業に就職することを優先してエリア職で通信会社の内定を得た瑞月は、ギンジとのコラボを中止した言い訳にギンジをけなす隆良を批判して10%でも20%でも自分の中から出さなきゃ始まらないと声を荒げ…というお話。

 就活の過酷さ(というか、だいたいなんだって、消費者の立場からしたらどうということもない企業の面接官にそこまで媚びなきゃならないのか、心を折られなきゃいけないのか…私がそう思うのは自分が就活した経験がないから、なんでしょうけど)と、それに押しつぶされる就活生のストレス、心のゆがみ、目の前にいる相手と向き合えずSNS等での発信(虚像・取り繕い)に没頭する現代人の姿というあたりがテーマになっています。
 心情的には、一貫して瑞月に思いを寄せながら、瑞月が光太郎と付き合い振られながらまだ光太郎を思っているゆえに、瑞月に思いを伝えられない拓人の切なさ、歯がゆさに心を揺さぶられ、喧嘩別れの形になったギンジへのねじくれた気持ちと意地でも認めたくない別離への後悔を哀しく思う、そういう作品だと思います。

 ほぼ原作通りの展開で、原作にないシーンはラスト前の拓人と瑞月の会話、拓人のツィートを演劇化した見せ方くらい、原作から落とされたシーンで展開に影響しそうなものは最初のライブのシーンで拓人がジンバックをこぼして瑞月がハンカチを差し出すシーン(原作ではここで拓人がスーツ姿という言及はありません)と瑞月が留学先から拓人に電話するシーンくらいでしょうか。

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