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2016年7月10日 (日)

ブルックリン

 ニューヨークに来たアイルランド移民の少女の揺れる心を描いた青春映画「ブルックリン」を見てきました。
 封切り2週目日曜日、角川シネマ新宿シネマ1(300席)午前11時10分の上映は、1~2割の入り。地味目の作品とはいえ、アカデミー賞作品賞と主演女優賞ノミネートの作品にしては、あまりに寂しい。

 1950年代、求人が少ないアイルランドの小さな町で、意地悪な店主ケリー(ブリッド・ブレナン)の下で店員として働いていたエイリシュ・レイシー(シアーシャ・ローナン)は、姉ローズ(フィオナ・グラスコット)がフラッド神父(ジム・ブロードベント)を通じて仕事と住処を手配してくれたことを受けて、ニューヨークのブルックリンに移住した。姉と母を故郷の町に遺して長い船旅の末にやってきたブルックリンで、エイリシュはデパートでの接客に自信が持てず、故郷を思って泣き暮らしていた。フラッド神父の勧めでブルックリン大学で会計を学び、寮母のキーオ夫人(ジュリー・ウォルターズ)の勧めで参加したダンスパーティで知り合ったイタリア移民の青年トニー(エモリー・コーエン)からダンスの秘訣は自分が上手だと信じて踊ることと知らされ、エイリシュは次第に自信を持ちニューヨークでの生活に馴染んでいく。そんなある日、情のこもった手紙でエイリシュの心を支え、年老いた母を支えてきた姉ローズが急逝し…というお話。

 故郷を遠く離れて大都会に移住した少女が、自分に元気と自信を与えてくれた恋人とともに大都会の生活に慣れたときに、故郷での姉の死と老いた母一人の状態に接し、知り合って日の浅い恋人(夫)との大都会での生活を選ぶか、故郷での母と旧友との生活を選ぶかという、心の揺れと選択がテーマです。
 前半は、おじさん世代には、かつて太田裕美が歌い上げた田舎から東京に出て来た少女の物語「赤いハイヒール」あるいはその裏側としての「木綿のハンカチーフ」のニューヨーク版といった趣き、後半は、老親の将来の介護問題を背景に控えた離散家族を抱えた者の望郷物語という趣で、多くの人にとって自分に引きつけて考えさせられるテーマだろうと思います。
 人生の選択が、えてして偶然のできごとにかかっていること、そしてそれ故に現在の自分や家族との関係が、貴重な、たぶん感謝すべき偶然の賜なのだということを、感じさせられました。

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