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2016年1月24日 (日)

母と暮らせば

 原爆で死んだ医学生の霊と母の対話を通じ戦争で自らのまた家族の命を奪われることの悲しみと不条理を描いた映画「母と暮らせば」を見てきました。
 封切り7週目日曜日、フィルム上映を続ける丸の内ピカデリー2(586席)午前10時30分の上映は5割くらいの入り。

 長崎の原爆で長崎医科大学で授業を受けていた医学生福原浩二(二宮和也)が死んで3年、諦めきれずに長崎医科大学生が立ち寄りそうな場所を探し続けた母福原伸子(吉永小百合)は、頻繁に伸子を訪れ何くれと支えてくれる浩二の恋人町子(黒木華)に、もう浩二のことは諦めた、町子も自分の将来のことを考えてくれと伝えるが、町子は一生結婚はしないと答える。そこへ、母さんが諦めが悪いから現れられなかったと言って、浩二の霊が伸子の前に現れ、思い出話をし、町子の様子を気にかけ、町子と一緒になれない運命を悲嘆するが…というお話。

 戦争がなければ生き長らえ幸せな生活を送ったであろう息子と、その姿を見ることができず自らも衰弱して行く母の様子を通じて、庶民が戦争で受ける被害、戦争の不条理が描かれます。戦争による死をいったんは宿命と受け入れようとする息子を、これは地震や津波と違う、人間がしたことやからとたしなめる母/吉永小百合の言葉は、核兵器とともに、人々の安寧な暮らしとは共存できない原発への反対を明言する女優吉永小百合の近年の姿勢と覚悟を示しています。
 母の身体を気遣い医学生となった浩二に、医学生なら招集されないだろうし招集されても軍医は戦死することはないだろうと思っていたのに無駄だったと語らせ、後に闇物資の購入をやめて衰弱死する伸子にも、上海のおじさん(加藤健一)の好意で闇物資を安く買わせてもらって生活ができているとか、死んだのが町子だったらよかったのにと口走らせた上で、それを後悔し自分は悪い女と自分を責める姿を描くことで、誰でも手を染め心の内に持つ小さな悪にも良心の呵責を持つ実直な市井の民の悲しみと哀れを感じさせます。

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