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2014年10月18日 (土)

グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札

 女優を引退してモナコ公妃となったオスカー女優グレース・ケリーのその後を描いた映画「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」を見てきました。
 封切り初日土曜日、TOHOシネマズ渋谷スクリーン5(234席)午後7時の上映は3割くらいの入り。

 26才の若さで引退してモナコ公妃となって6年後、グレース・ケリー(ニコール・キッドマン)は、公妃としての生活になじめず、多忙の中なかなかかまってくれない夫レーニエ3世(ティム・ロス)に不満を持ち、アルフレッド・ヒッチコック(ロジャー・アシュトン=グリフィス)からの映画出演・女優復帰のオファーに心を動かされていた。折しもフランスのド・ゴール(アンドレ・ペンヴルン)はフランス企業が課税逃れにタックスヘイブンのモナコに移転することに腹を立てて、モナコに移転したフランス企業への税金徴収とフランスへの支払をモナコに要求し、国境を封鎖した。さらに王室内にもド・ゴールに通じる者がいる疑いが生じ、レーニエ3世の姉アントワネット(ジェラルディン・ソマーヴィル)が元首の地位を狙い陰謀を企て、モナコと王室は危機に陥る。それを見てグレースは…というお話。

 作品のメインストーリーは、王室での暮らしになじめず、夫との間にもすきま風が吹き、女優への復帰に心動かされていたグレース・ケリーが、考えを改め、モナコと王室の危機に際して、夫への愛情と献身を背景に自らの機知で対処してモナコを救うというような展開です。そういう展開ですから、前半の夫と王室から心が離れていたグレース・ケリーが、夫と和解し愛情と献身を示す後半へと舵を切る部分が、本来は見せどころのはずなのですが、そこが今ひとつ見ていてハッキリしません。率直に言って、前半かなり動きが少なく台詞で語る場面が多く昼間遠出した疲れもあってところどころうつらうつらしたので、私が見落としたということかもしれませんが、何というか、まわりから反対されているうちに何となくあきらめ、公妃で居続けると決めた以上それに合わせるしかないと踏ん切りを付けたのかなぁというようなニュアンス。実生活では、何か劇的なことがあって決心するということよりも、何となく決めていくことが多いとは思いますが、映画としてはもう少し何か納得しやすいターニングポイントがあった方がよかったように思えます。

 映画としては、ラストのグレース・ケリーのスピーチが、最大のと言うかほぼ唯一の見せ場です。すべてをここに向けて作っている感じで、さすがにここは心動かされます。
 小国モナコが、隣接するというか包囲されている大国フランスの実力行使と武力による威嚇を前にどう対処するか。グレース・ケリーのスピーチは、平和憲法を持ち憲法前文で「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」と宣言した日本国民が努力すべき道を指し示すもので、感慨深いものがあります。この国に、米軍の威を借るとともに自らも軍備を拡大しふつうに戦争ができる体制を目指す、パワーポリティックス信奉者が満ちあふれて政権を取っている現在、この映画のメッセージは、とりわけ日本では貴重なものに思えました。

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