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2014年7月27日 (日)

パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト

 19世紀イタリアの天才ヴァイオリニストを描いた映画「パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト」を見てきました。
 封切り3週目日曜日、新宿武蔵野館1(133席)午前10時15分の上映は4割くらいの入り。

 天才的な演奏技術を持ちながら演劇舞台付きの演奏者として埋もれ酒と女に浸り借金漬けだったニコロ・パガニーニ(デビッド・ギャレット)は、その演奏を聴いて魅せられて宿泊中のホテルを訪ねてきた謎の男ウルバーニ(ジャレッド・ハリス)から、お前には素晴らしい技術があるが物語がないと指摘される。ウルバーニの働きでイタリアでの演奏会に成功し富と名声を得たパガニーニは、その金をまるごとギャンブルですってしまい、ウルバーニは眉をひそめ、カジノで負けたくなければ自分がカジノを持つことだと囁く。パガニーニの噂を聞いたロンドンの指揮者ワトソン(クリスチャン・マッケイ)はウルバーニにロンドン公演を申込み前金で多額の公演料を送るが、パガニーニはそれも使い果たし、公演料の増額を求める。前金ばかり払ってパガニーニがいつまでも来ないために税務署から家財を差し押さえられたワトソンは、ようやくロンドンにやってきたが不道徳なパガニーニを追い返せという婦人グループのデモでホテルに泊まれなくなったパガニーニを自宅に迎え入れる際、娘のシャーロット(アンドレア・デック)にメイドのふりをさせて世話をさせる。パガニーニはシャーロットを気に入るが、宝石を与えてパガニーニの夜とぎをさせようとするウルバーニにシャーロットは激高し…というお話。

 公式サイトのキャッチコピーが「音楽史上、最も不道徳な男が奏でる、最も美しい旋律」なんですが、夜ごと別の女と交わり、手にした金はギャンブルですってしまうという破滅的な生活を送っていた描写はあるものの、これだけだったらいくらでもいそうな気がして「音楽史上、最も不道徳な男」っていわれてもあんまり説得力を感じませんでした。
 むしろ、息子においていかないでと言われて独りにしないと約束したり、後半のシャーロットとの関係はむしろ純愛っぽく描かれていて、実はよきパパで意外に純情なところも、なんて描き方になっています。
 しかし、それまではパガニーニはホテルで大騒ぎして女と過ごしていたりするわけですから、息子なんてほったらかしにしていたはずなのに息子とのそれまでの関係や母親はどうしたとかいう描写もなくて、いきなり息子が出て来て、パガニーニが独りにしないとか言い出すの、唐突ですし、シャーロットにしても、それまで次々と違う女を引っ張り込んでやりたい放題してたパガニーニがシャーロットと舞台で共演した夜だけ、別の女と過ごしたのは誤解だと騒ぐのも変だし場数を踏んでるのに腹が据わらなすぎ、そもそもそういう生活をしてきたパガニーニが突然純愛に目覚めるということ自体唐突で、息子の件もシャーロットの件もしっくりとこないという感じがしました。
 いっそのこともっと破天荒で破滅的な生き様を徹底するか、実は意外に純情なところもあったという設定にするなら息子との関係もシャーロットに恋した経緯ももう少していねいに描いて説得力を持たせて欲しかったなと思います。そのあたりが中途半端な印象でした。

 ビール好きなタイムズの記者エセル・ランガム(ジョエリー・リチャードソン)が、パガニーニと馬車の中でまぐわってパガニーニを絶賛する記事を書いていますが、これは記者のたくましさを示しているのか働く自立心ある女もこんなものと言っているのか…
 子ども(シャーロット)と一夜を過ごしたと言って抗議の嵐にあうパガニーニとか、不道徳だといって追い返せデモが起こったり、遺体を教会の墓地に埋めてもらえなかったりという性風俗環境の中で、パガニーニの、そしてエセル・ランガムの立ち位置は面白いところではありますが。

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