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2014年5月

2014年5月31日 (土)

オー!ファーザー

 伊坂幸太郎の小説を映画化したサスペンス・コメディ「オー!ファーザー」を見てきました。
 封切り2週目土曜日、ヒューマントラストシネマ渋谷シアター2(173席)午前9時30分の上映は1割足らずの入り。

 懐妊当時母親が四股をかけていて父親がわからないというために、ギャンブラーの鷹(河原雅彦)、元ホストの葵(村上淳)、熱血教師の勲(宮川大輔)、大学教授の悟(佐野史郎)の4人の父親と同居している高校生由紀夫(岡田将生)は、同級生の多恵子(忽那汐里)に頼まれて不登校の同級生小宮山宅を訪れるが追い返され、自宅近くまで来た多恵子に4人の父親と住む秘密を知られてしまう。鷹の知り合いの裏社会のフィクサー富田林(柄本明)が開いたゲームセンターを訪れた由紀夫は、悪徳弁護士のカバンを何者かがすり替えるのを目撃し、犯人を追うが、チンピラに追われる幼なじみの鱒二を助けるうちに見失う。鱒二はチンピラから富田林の仕事を手伝うように求められて受けたが、寝坊してすっぽかしてしまう。富田林の部下に呼び出された鱒二と由紀夫は、危機一髪を駆けつけたパトカーに救われるが、パトカーが来たのは近くで心中死体を発見したとの通報があったためで、その男女はカバンをすり替えた男と、悪徳弁護士の注意をそらしていた女だった。相次ぐ事件を考えるうちにふと閃いた由紀夫は駆け出すが…というお話。

 基本的には、父親が4人いて同居しているというシチュエーションとその4人のキャラで見せるほのぼの系コメディで、サスペンス部分は一応ストーリーの軸になってはいますが、あまり気にしない方がいいかと思います。
 サスペンス部分では、やはり犯人像がいまいちで、この犯人像だと心中事件もこの犯人がやったということなのか引っかかりを感じます。また、カバンすり替え事件よりも相当早くから小宮山が不登校になっているのも、疑問が残ります。富田林の件については、誰の仕業だったのかの説明もありません。
 そして、この4人の父親をして、四股が発覚ししかも誰が父親かわからないなどと言われながらも、別れるより一緒に暮らそうと全員に思わせる凄腕の母がどういう人かに、観客の興味は集中するはずですが、これが…あえて最後まで引きずる演出ですので制作側は種明かしを避けたいのでしょうから、書くといかにもネタバレなのでぼかしますが、期待外れです。

2014年5月25日 (日)

プリズナーズ

 6才の娘が行方不明の父親が誘拐犯と疑う青年を監禁するサスペンス映画「プリズナーズ」を見てきました。
 封切り4週目日曜日、丸の内ピカデリー2(586席)午後1時の上映は1~2割の入り。

 感謝祭の日、ケラー・ドーヴァー(ヒュー・ジャックマン)夫妻は友人のフランクリン・バーチ(テレンス・ハワード)宅を訪れてくつろいでいたが、ケラーの娘アナ(エリン・ゲラシモビッチ)が自宅でなくした赤いホイッスルを探しに行くと言ってフランクリンの娘ジョイ(カイラ・ドリュー・シモンズ)とともに外出し、戻ってこなかった。ケラーは、昼間に近くに停車していたRV車が怪しいと警察に通報、そのRV車に乗っていた青年アレックス(ポール・ダノ)は警官に囲まれ逃げようとして逮捕されたが、RV車からはアナらの遺留物は何も発見されず、アレックスは10才程度の知能と評価され、釈放される。アレックスの釈放を聞きつけたケラーが警察署の駐車場でアレックスの胸ぐらを掴み問い詰めると、アレックスは「僕が一緒だった間は泣かなかった」と口走った。警察官に取り押さえられたケラーは、担当刑事ロキ(ジェイク・ギレンホール)にそのことをいうが、ロキが聞いてもアレックスは何も言わず、警察はアレックスを伯母(メリッサ・レオ)の元へ帰した。納得できずにアレックスを追うケラーは、アレックスがアナが歌っていたジングルベルの替え歌を口ずさんだのを聞きとがめ、アレックスが犯人に間違いないと判断しアレックスを拉致するが…というお話。

 娘を誘拐された父親が容疑者と考える青年を拉致して口を割らせるために拷問することの是非が一つのテーマとされ、公式サイトでも「父親ならば当然の愛なのか?モラルを超えた狂気なのか?」と謳っています。法律家の業界では「自力救済の禁止」(権利が不法に侵害されている場合でも、その回復は適法な手続によるべきで、実力行使で強制的に解決することは許されない)という問題でもありますが、娘の命がかかった緊急事態という設定に、相手が犯罪者(と疑われているということなんですが)なんだから遠慮することないじゃないかという感情論で、世間的には是の方に傾きがちな問いかけになります。
 この作品では、ケラーが、フランクリンを誘い込み、最初は自分もジョイを取り戻すためなら何でもする、しかしこれは間違いだというフランクリンが結局は黙認し、妻ナンシー(ビオラ・デイビス)に問い詰められて耐えられずフランクリンが事実を伝えると、ナンシーもフランクリンにかかわるなと言いつつケラーの邪魔をするなと言い、最後にアレックスの監禁を知ったケラーの妻グレイス(マリア・ベロ)もあの人がやったことはアナを取り戻すためで感謝していると言いという具合に、肯定的に評価されています。娘を誘拐された父親が感情的になり居ても立ってもいられず常軌を逸した行動を取るという心情はわかります。私だって、そういう局面に置かれたら何をするかわかりません。しかし、同時に、理性的に振る舞おうとするフランクリンに対するケラーやナンシーの姿勢と圧力、言葉を失うフランクリンの描写は、死刑廃止派の発言に対してお前の妻や娘が輪姦されて殺されてもそう言えるのかという言葉を投げつける死刑存置派や親を殺された子どもに敵討ちを迫る親族のような無神経で野蛮な押しつけがましさを感じてしまいます。

 ストーリー展開では、ケラーの行動が中心ということでもなく、ロキ刑事の捜査の方が次第に中心となり、サスペンス映画としての性格が次第に強まっていきます。見終わった段階では、娘を誘拐された父親の心情という問題提起は薄まっている印象がありました。
 サスペンス映画としては、「呪われた一族」ふうの猟奇的で偏執的で狂信的な個人の問題に帰されているようで、ちょっとこぢんまりとした感じがしました。

2014年5月24日 (土)

アナと雪の女王(日本語吹き替え版)

 ディズニー創立90周年CGアニメミュージカル「アナと雪の女王」を見てきました。
 封切り11週目土曜日、新宿ミラノ1(1048席)午前11時50分の上映は2~3割の入り。
 週末興行成績10週連続1位、2014年5月18日時点(封切り10週目)累計興収が185億円超で既に日本歴代6位、歴代3位(「ハリー・ポッターと賢者の石」超え)が射程圏内になってきています。短編の「ミッキーのミニー救出大作戦」が同時上映となっているのは、ディズニーとしては自信のなさというかてこ入れのためだったのでしょうけど、むしろこの短編はなくていいというかかえって目障りかも、と思える大人気。でも、11週目を迎えても週末は新宿ピカデリーは予約だけでほぼ満席なのに、新宿ミラノはそれでも3割くらいしか客が入らないのはなぜ?私はスクリーンが大きくて空いているミラノ1はお得だと思うのですが…

 アレンデール王国の王女エルサは生まれつき雪を降らせ周囲を凍らせる魔力を持っていた。幼い頃次女のアナにお願いされて部屋の中で雪遊びをしていて誤ってアナの頭に氷を打ち込んで死なせかけたことがトラウマになったエルサは、国王の指示もあり、その日から部屋に閉じこもりアナの誘いを拒否し続けた。国王夫妻が遭難し姉妹2人となってもエルサはアナとの面会を拒否し続け、3年後エルサが成人して行われた戴冠式の日にようやく城の扉が開かれ、アナはエルサと会うことができた。城の外に出られる日を待ちかねていたアナは、港で知り合った他国の王子ハンスと意気投合し結婚を誓い合って、ハンスをエルサに紹介し、ハンスに城に住めばいいと言った。魔力を隠し続けるために他人を城に入れたくないエルサは、アナの結婚に反対し、パーティーの終了を宣言、部屋に帰ろうとするが、アナに引き止められて興奮しパーティー客の前で部屋を凍らせてしまう。隠し続けていた魔法の力を人前にさらしてしまったエルサは狼狽して逃走し、北の険しい山中で氷の城を築き、全てを捨てることでありのままの自分でいられることに満足して氷の城に籠もる。エルサの魔法でアレンデール王国全体が雪に閉ざされてしまい、アナはエルサに雪を溶かしてもらうために、ハンスに城を任せて、山中で出会った山男クリストフ、トナカイのスヴェン、雪だるまのオラフとともに氷の城を目指すが…というお話。

 アナとエルサの姉妹愛がテーマの作品です。
 幼いときから、仲のよかった姉エルサから面会を拒絶され続け、絵や甲冑や柱時計と戯れつつ孤独に育ったアナが、それでも姉を慕い続けいじけずまっすぐに明るく育つ様は、少し理想的に過ぎますが、感動的です。娘を持つ父親の視線からは、それだけでもいじらしくけなげで、涙目ものです。そしてアナがエルサを救うために身を投げ出すシーンでは涙が止まりませんでした。
 他方で、幼くして魔法を抑制することを求められてできず、困惑しながら、アナを殺しかけてしまったトラウマから部屋に閉じこもり自ら孤独に暮らし続け、できれば避けたいが長女として女王とならざるを得ず責任感から戴冠式に臨むエルサの悲壮な思い、若くして課せられた重圧に苦しみながらそれを背負おうとする姿も感動的。
 それくらいの年頃の娘を持つ父親という立場から見たためかも知れませんが、シンプルな強い感動を与える作品だと思います。

 ミュージカル作品は興行成績が伸び悩む市場で、この人気は特筆ものです。全編歌ではなく、ここぞというところにある程度絞っているためにミュージカル色が薄く、歌の部分が印象と記憶に残りやすいのかもしれません。
 日本語吹き替え版のアナ役の神田沙也加の声と特にその伸び具合は、おじさん世代には母松田聖子の若い頃を彷彿とさせ、ノスタルジーに浸らせてくれます。それに引けを取らない松たか子の歌声も立派です。

 邦題は「アナと雪の女王」(原題は Frozen )ですが、イメージとしては雪の女王よりは氷の女王の方がしっくりくるように思えます。

2014年5月18日 (日)

シークレット・チルドレン

 政権交代により「廃絶」を宣言されたクローン人間たちの抵抗と絶望ともがきを描いた映画「シークレット・チルドレン」を見てきました。
 封切り2週目日曜日、全国14館東京では唯一の上映館(他はコロナシネマワールドグループだけ)ヒューマントラストシネマ渋谷シアター3(60席)午後0時30分の上映は3~4割の入り。

 近未来のとある先進国Xでは、36年前に人口減少対策として遺伝子を操作して生殖能力を持たない「シークレット・チルドレン」と呼ばれるクローン人間を3万人作り出した。クローンたちは居住区を指定され、人間と共存してきたが、政権交代により登場した独裁的な大統領ブルームクイスト(ルイ・デズセラン)は、クローンの廃絶を宣言し、クローン監視委員会を設立し、クローンを見つけ次第「捕獲」し、DNA検査でクローンと確認するや「廃絶」(銃殺)していった。シークレット・チルドレンの幼なじみのカップルセドリック(オーガスト・コリエル)とソフィア(ジェイミー・ベルナデッテ)は公然と非暴力抵抗組織を宣言し隠れ家を多数用意してSNSを通じてシークレット・チルドレンたちと連絡を取り隠れ家に案内していくが、セドリックとソフィアの方針に疑問や反発を持つシークレット・チルドレンもいて…というお話。

 排除主義的な独裁者の危険性を訴える意図は理解できるのですが、被抑圧者側の連帯・協調が進まずシークレット・チルドレンの抵抗運動の英雄も一人の裏切り者によりあっけなく潰され、そしてエンディングに見られるようなあまりにもささやかな「勝利」に甘んじるしかないのか、沈痛な思いを持つ作品です。
 そうですね。苛政は虎よりも猛し。そして政権交代の希望もなし、ではね。
 独裁者ブルームクイストの演説。クローンの連中の保護と教育のために莫大な資金が使われクローンが人間よりいい暮らしをしているって、内容自体嘘なのですが、かつて、とある「先進国」で同和対策事業について言われ、最近生活保護不正受給キャンペーンで言われているのと同じですね。政策の本質から目をそらすために、外に敵を作ったり国民の中に敵を指定して国民の分断を図り、その敵への憎しみに国民の関心を集中させて、抑圧的な政策を通してしまう。独裁者の常套手段ですが、これが簡単に通用してしまうところが、悲しいところです。
 番組でブルームクイストの演説を流すことに対して政府のプロパガンダに協力するのは嫌だと抵抗するキャスターエレーヌ(アリーズ・マリー)は、上司からお前の代わりはいくらでもいる、15歳若いテレビ映りのいい連中がいつでも待っていると脅され、黙ってしまいます。そうしてエレーヌが自己嫌悪に陥っているところに、車に乗り込んできた孤立したシークレット・チルドレンのランス(マーク・ディポリット)からシークレット・チルドレンの現状を報道してくれと頼まれ、私の一存ではできないと答えると、あんたも同じか、キャスターは正義の味方かと思っていたと詰られます。エレーヌからすれば、何とかしたいという思いはあるがテレビ局の組織上の無力感を感じているところに、見知らぬ者から一方的にキャスターならこうできるはずだと過大な期待をかけられ、しかもせめて何か具体的な情報を持ってくるならともかくただ協力してくれと言われても何もしようがないと思いますが。このエレーヌ編はここで途切れてその後のフォローがなく、ちょっと残念な感じ。
 6年越しの恋人、ジュリエット(エレン・モナハン)とカール(アリ・ハースタンド)。24歳になり子どもを産みたいと結婚を迫るジュリエットは、結婚の話になると途端に話をはぐらかすカールに不満が募ります。この悲恋もこのエピソードのラストシーンには胸が詰まりますが、そこまで。
 セドリックとソフィアのストーリーに絡まない、エレーヌ編(ランスのエピソードとも言えるのかもしれませんが)とカール編がぶつ切り感を残し、作品としては、そこをもう少しうまく収拾して欲しかった気がします。セドリックとソフィアのエピソードでさえあのラストが限度とすれば、望むべくもないことかも知れませんが。

2014年5月17日 (土)

ブルージャスミン

 夫も財産も失いながら過去の栄光が忘れられずに虚勢を張り嘘で塗り固めて返り咲きを図る元セレブを描いた映画「ブルージャスミン」を見てきました。
 封切り2週目土曜日、シネ・リーブル池袋シアター1(180席)午前10時の上映は3割くらいの入り。観客の多数派は女性客。

 大学を中退してパーティーで出会った青年実業家と結婚しジャネットという名前は平凡だと言って名前を変えたジャスミン(ケイト・ブランシェット)は、詐欺と浮気を繰り返した夫ハル(アレック・ボールドウィン)が逮捕されて自殺し、多額の借金を抱えて、シングルマザーの妹ジンジャー(サリー・ホーキンス)を訪ね、居候する。ジャスミンは抗うつ剤を飲み時に独り言を言いながら、インテリアコーディネーターになると言ってネットで資格を取るためにパソコン教室に通い始め、パソコン教室で一緒になった受講生の勧めでジンジャーを連れてパーティーに参加して、外交官で妻が死に家を買ったばかりだというドワイト(ピーター・サースガード)と出会い、自分はインテリアコーディネーターで外科医の夫と死に別れたと嘘の自己紹介し、自宅に誘われるが…というお話。

 詐欺師の夫の稼ぎで贅沢三昧の生活をし、夫が逮捕されて自殺し多額の借金を負い落ちぶれていながら、過去の栄光を忘れられず、金がないのにファーストクラスに乗りブランド品を持ち歩き、パソコンもまともに使えないのにネットで学んでインテリアコーディネーターになるなど現実性のない外見・人聞き最優先の幻想を持ち続け、金持ち男を見るや嘘を並べ立ててセレブへの返り咲きを図り安楽な地位への執着を見せるという、落ちぶれた元セレブの滑稽さ、哀しさがテーマの作品です。
 ウディ・アレン監督作品ですが、ウィットはあっても、コミカルな要素はあまりありません。ジャスミンが抗うつ剤と酒を手放せず、ときおり独り言を言うという場面が続き、シリアスな雰囲気です。
 私には、ジャスミンは自業自得に思えてほとんど共感できず、貧しい中でけなげに2人の息子たちを育てて看護師とスーパーのレジ係をこなしてたくましく生きるジンジャーの方が好ましく思えました。気が短い修理工のチリ(ボビー・カナベイル)よりも、いい人と幸せになれるといいなとも思ったのですが。

2014年5月11日 (日)

ジャッカス クソジジイのアメリカ横断チン道中

 アメリカのドッキリカメラ系のバラエティ番組の劇場版「ジャッカス クソジジイのアメリカ横断チン道中」を見てきました。
 封切り7週目日曜日、この日時点で全国4館東京で2館の上映館の1つヒューマントラストシネマ渋谷シアター2(173席)午前9時50分の上映は1割程度の入り。

 妻に先立たれ、結婚生活46年の末に解放され自由になったと浮かれる86歳アーヴィン(ジョニー・ノックスビル)は、妻の葬儀に遅れてやってきた薬物犯罪で受刑して仮釈放中にまた薬物に手を出して収監が予定されている娘から久々に会った8歳の孫ビリー(ジャクソン・ニコール)を押しつけられ、ビリーを父親の元に送るために、妻の遺体を車のトランクに入れてビリーとともに旅立つが、ビリーが動かないという子ども用の乗り物に乗ると乗り物が飛び出し、スーパーの店内で商品を勝手に食べて追いかけられ、ペンギンの看板に車で衝突し、他人の結婚式に紛れ込んでシャンパンタワーを崩壊させてウェディングケーキにダイビングし、誰彼かまわずナンパを試みるが相手にされず、女性用ストリップに入り込んでズボンを脱いで踊り出し、と行く先々で事件を引き起こし…というお話。

 妻が死んで自由になったと、誰彼かまわずナンパを仕掛けるアーヴィンが、長らく会っていなかった孫を押しつけられて面倒に思いながら連れ回し、孫を車やモーテルの部屋に置いてナンパに出かけて一人で事件を起こし、孫と一緒の時は2人で事件を起こし、という展開で、勝手に振る舞うアーヴィンがビリーと過ごしていくうちに次第に愛着を感じるようになるというストーリーで、一応ハートウォーミングなところも見られます。
 しかし、基本的には下ネタ中心のギャグのつなぎ合わせという感じで、テレビのバラエティ番組を見ているイメージです。

 86歳という設定のアーヴィン(役者は43歳で、そのメイクアップが、アカデミー賞メイクアップ&ヘアスタイリング賞にノミネートされたそうです。受賞はしませんでしたが)が、性欲の塊のように行動し、誰彼かまわず女性に声をかけ続ける姿は、そんな歳になってもそれだけ欲情するものかと感心してしまいます。行く末に希望を感じるか悲観するかやや微妙な感じもしますけど。

2014年5月10日 (土)

大空港 2013

 完全ワンカット・ワンシーンドラマのDVD発売プロモーション特別上映「大空港 2013」を見てきました。
 封切り2週目土曜日、全国2館東京で唯一の上映館シネ・リーブル池袋シアター2(130席)午後0時20分の上映は3~4割の入り。

 信州まつもと空港のグランドスタッフ大河内千草(竹内結子)は、プロポーズされている上司(村木繁)から、羽田空港竜巻のために着陸できず信州まつもと空港に緊急着陸したFDA便の乗客へのお詫びとお世話を指示された。大河内が食堂へのご案内をした6人組の乗客は、遺骨を抱いた祖父鶴橋清正(綾田俊樹)は一人でいたいとロビーに残り、田野倉守男(香川照之)は秘密の話があるので部屋を貸せと言って若い女倉科百合子(戸田恵梨香)と中で痴話げんかを始め、妻田野倉美代子(神野三鈴)は屋上でパイロット姿の男国木田修(オダギリジョー)から憧れの先輩だったと言われて有頂天になり、美代子の弟鶴橋蔵之介(生瀬勝久)はプラネタリウムの建設のために60万円貸してくれと美代子に頼み込んで断られ、田野倉の息子睦夫(池松壮亮)は携帯電話を握りしめて「殺すぞ」と怒鳴り、田野倉の娘真弓(石橋杏奈)は、46歳バツ3の男犬山寅雄(梶原善)を祖父に紹介し、それぞれに応対する大河内は…というお話。

 信州まつもと空港を借り切って、100分間にわたる連続撮影を行ったということが、まず目に付き、またそれが売りの作品。
 その点は感心はするのですが、空港を借り切っても飛行機が出てこず、空港の食堂、空港ビルの入口と外観、カウンターとロビーが中心ですから、セット撮影も可能な内容で、むしろセットを組むコストを節約するために実物を借りたのではないかと思えてしまいます。
 内容は、竹内結子の飄々とした演技と香川照之・生瀬勝久のドタバタを取り合わせたコメディで、悪くはないけど、いかにもテレビドラマで、あえて映画館で見るものかという思いが残ります。
 もともとテレビ放映用に制作された作品で、DVD発売前の宣伝を兼ねて映画館で上映されたものですから、その点について文句を言うのは筋違いなのだろうとは思いますが。

2014年5月 5日 (月)

LIFE!

 雑誌「LIFE」の写真管理部で働く地味な男の冒険を描いた映画「LIFE!」を見てきました。
 封切り7週目月曜日祝日、ヒューマントラストシネマ渋谷シアター1(200席)午後1時45分の上映は9割くらいの入り。

 雑誌「LIFE」の写真管理部に勤務するウォルター・ミティ(ベン・スティラー)は、42歳の誕生日の朝、遅刻して出勤したところ、勤務先が買収され「LIFE」が休刊となり大幅なリストラが行われることを知らされる。「LIFE」の休刊の噂を聞いた有名な写真家ショーン・オコンネル(ショーン・ペン)はウォルター宛にネガを送り、同封されていた手紙には25番が傑作だからそれを最終号の表紙に使ってくれと書かれていたが、ネガフィルムからは25番の写真だけが欠落していた。最終号の写真出稿限界まではあと2週間。ウォルターは携帯電話を持たない主義のショーンを探してグリーンランド、そしてアイスランド、さらにはアフガニスタンへと旅を続けるが…というお話。

 冒頭、ウォルターが、家計簿を付けて顔をしかめながら、ふと出会い系サイトを見て同僚の経理部員シェリル・メルホフ(クリステン・ウィグ)を発見し、ウィンクメッセージを送ろうとして、何度も何度もためらった末にボタンを押したら、ウィンクが送れない、それで出会い系サイトの担当者に電話をして電車を待ちながら解決法を聞いているうちに、空想の中で突然駅からシェリルの住むマンションにダイブしてシェリルを(正確にはシェリルの飼い犬を)助け、我に返ると電車が出た後という流れで、実直で経済的には追い込まれ、引っ込み思案で思いを寄せる同僚にも直接声をかけられず、妄想癖があり人前で妄想してあっちの世界に行ってしまうというウォルターの人柄とシチュエーションが見事に紹介されています。その引っ込み思案で妄想癖のあるウォルターが、追い込まれて冒険に出て成長するという姿が、この作品のテーマになっています。前半では度々ウォルターの妄想が登場し、冒険が進むにつれて妄想が登場しなくなる構成、直接声をかけられずネットでウィンクボタンを押すことも躊躇に躊躇を重ねる冒頭からシェリルにフランクに話しかけるようになる後半への流れで、ウォルターの成長を表しています。
 冒険の場面はわりとありますが、特に前半でそのアクションが妄想ということが多いこともあって、アドベンチャーというよりはハートウォーミング系の印象が強い作品です。
 電子化を進めてリストラを図る会社側の姿勢と、携帯電話も持たずに秘境での撮影と冒険に明け暮れるショーンを対比させることで、最新技術に走る者とアナログ派の対立の様相も見えますが、そこはウォルターが「写真管理部」というアナログの代表的な業務ではあるもののコンピュータと携帯電話(それも海に飛び込んでも大丈夫、アフガニスタンの高山でも通話できているというのですから、ハイスペックの)を使いこなしているので、ピッタリとははまらない感じです。
 ウォルターが思いを寄せる相手はバツイチ子連れというのも、今どきのアメリカ映画の傾向でしょうか。

2014年5月 4日 (日)

テルマエ・ロマエⅡ

 古代ローマの風呂設計技師が現代日本との間でタイムスリップを繰り返す漫画の映画化第2弾「テルマエ・ロマエⅡ」を見てきました。
 封切り2週目日曜日、TOHOシネマズ日劇スクリーン2(666席)午前11時40分の上映はほぼ満席。

 ローマでは、戦争により得た領土を一部返還し公衆浴場(テルマエ)を整備して民心を安定させ平和な国を築こうとするハドリアヌス帝(市村正親)とコロッセオ(競技場)での凄惨な格闘を見せ続け好戦的な意識を煽ろうとする元老院が対立していた。格闘で傷ついたグラディエーター(剣闘士)の治癒のためのテルマエの設計をハドリアヌス帝から依頼されたルシウス(阿部寛)は、力士たちが集う公衆浴場にタイムスリップして、足ツボ刺激ボードやマッサージ機、入浴剤などに感動し、それらを導入したテルマエを作り、皇帝の信頼を得た。さらに子ども用のテルマエや大規模なテルマエ、北方の戦線で戦士の疲れを癒やせる小型テルマエなどを依頼されたルシウスは、度々現代日本の「平たい顔族」の温泉地にタイムスリップして、ウォーターシュート(滑り台)や草津温泉郷、樽風呂などを導入して次々と新たな浴場を作って好評を博した。ルシウスに好意を持った漫画家の山越真実(上戸彩)は、ルシウスとともに古代ローマにタイムスリップし、次期皇帝ケイオニウス(北村一輝)の罹った疫病が結核であり隔離が必要だと述べ、魔女だと決めつけられて捕らえられるが…というお話。

 前作と比較して、古代ローマ側での設定を平和を志向するハドリアヌス帝と、好戦的な意識を煽り陰謀を企てる元老院とその傀儡の対立というわかりやすい設定にして、それにあわせてストーリーをそれなりに作った結果、ルシウスサイドのストーリーはわりとすっきりして見やすくなっていますが、現代日本側は細切れでまったく脈絡がなくなり、完全に添え物化しています。
 ハドリアヌスとケイオニウスの思考、人柄について、前作とは少し評価が変わっているように思え、やや戸惑うところもあります。
 タイムスリップは、もうルシウスの思うままという感じですし、この作品の見せ場とも言うべきルシウスの「平たい顔族」文化に対する驚き(大仰な評価)も、これだけ見せられると、もう飽きたなという印象が先に立ちます。着想の斬新さと、文化ギャップへの驚きで見せる作品だけに、柳の下に2匹目のドジョウがいると考えるのは甘いのではないかと思えます。そうは言っても現に観客動員はなされているので制作側のもくろみは当たったことになるのでしょうけど。

 他の映画館は知りませんが、TOHOシネマズ日劇では、開始前のCMにケロリンのCMが出稿されていました。改めて、あぁケロリンって頭痛薬だったんだって気がつきましたが、やっぱりこれテルマエ・ロマエⅡに合わせて出してるんだよなぁ、やっぱり力入ってるなぁと思ったのですが、映画では今回はケロリンのケの字も出て来ませんでした。

2014年5月 3日 (土)

名探偵コナン 異次元の狙撃手

 名探偵コナン劇場版第18作「名探偵コナン 異次元の狙撃手(スナイパー)」を見てきました。
 封切り3週目土曜日、キネカ大森スクリーン1(134席)午前10時40分の上映は4~5割の入り。

 東京の街を一望できる高さ635mのベルツリーが完成しそのオープニングセレモニーの最中、コナンらの目の前で不動産業者の男が狙撃され殺害された。この男を探っていた女子高生探偵世良真純とコナンは狙撃場所に駆けつけ、逃走するバイクの男を追い、途中からFBIも参戦して男を埠頭に追いつめるが海の中に逃げられてしまう。FBIによれば、元米軍特殊部隊の凄腕狙撃手ティモシー・ハンターが行方不明で、ハンターは名誉の勲章を兵士のウォルツと部下マーフィーの陰謀によって剥奪され、娘が日本人の婚約破棄に絶望して自殺し、日本の悪徳不動産業者にだまされて破産し、殺された不動産業者がハンターをだました不動産屋で、ハンターが怨みを持つ残り3人のうち婚約破棄男の消息は不明だが残り2人は今日本に滞在しているという。警視庁とFBIは、ハンターの知人を訪ね、恨まれている3人の保護を目指すが、婚約破棄男を発見して駆けつけた世良とコナンの前で婚約破棄男が射殺され、ハンターへの容疑が強まる中、今度はハンターが浅草のホテルで射殺され…というお話。

 冒頭に、名探偵コナンのお約束の高校生探偵工藤新一が体が縮む薬を飲まされて小学生のコナンになった経緯とその犯人と考えられる「黒ずくめの組織」の解説があり、今回はそれに加えて新たな登場人物として、毛利蘭と同級生の女子高生探偵世良真純、工藤新一の家に下宿している謎の大学院生沖矢昴、FBI捜査官のジェイムズ・ブラック、ジョディ・スターリング、アンドレ・キャメルらが紹介されています。
 その中で活躍するのは、新登場の女子高生探偵世良真純。コナンをバイクに乗せて八面六臂の大活躍で、キビキビしてりりしくとてもかっこいい。コナンをかばって撃たれた時は、私などつい涙ぐんでしまいました。
 他方、その陰で、新たな登場人物が多い上に容疑者・被害者側の関係者も多く、それぞれがさまざまな動きをするため、コナン以外のレギュラーメンバーはかすんでしまいます。警視庁の捜査官はほとんど活躍の場もなく、毛利小五郎の眠りの小五郎も登場しませんし、まぁその人たちはどうでもいいんですが、灰原哀や毛利蘭の活躍もほとんど見られないというのは、ちょっと寂しい。

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