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2013年7月 6日 (土)

奇跡のリンゴ

 農薬被害に苦しむ妻のため無農薬リンゴの栽培にチャレンジするリンゴ農家を描いた映画「奇跡のリンゴ」を見てきました。
 封切り5週目土曜日、新宿ピカデリースクリーン4(127席)午前11時25分の上映は3割くらいの入り。

 幼い頃から好奇心が強く発明を試みては失敗していた三上秋則(阿部サダヲ)は、高校の同級生の木村美栄子(菅野美穂)と見合い結婚して婿入りしリンゴ農家を経営することになる。虫害に弱いリンゴは毎年16回農薬を散布せねばならず、美栄子はそのたびに皮膚が爛れ寝込んでいた。それを見た秋則は無農薬栽培の実現を試みることにして、義父(山崎努)に頼み込み、了承を得て、農薬の代わりに酢や茶などさまざまな食品をリンゴに撒布するが、ことごとく失敗する。何回も失敗を続けるうちに資産も使い果たして車も売り畑も半分売り子どもたちの食事や学用品にも困るようになり、周囲の目は次第に厳しくなって木村家は村八分状態になるが…というお話。

 世の中の主流に外れる志を持って決意し、その志を貫こうとして村八分になり、収入が閉ざされて生活に困っていくという様子の描写には、身につまされるものがあります。
 長いものには巻かれろが、楽な道ではありますが、それができないタイプの人はそれなりの割合でいるわけで、しかし昨今の日本ではそういう人が生きにくい世の中になる方向にものごとが動いているように思えます。
 また零細自営業者の1人として、努力したからといって収入が保証されず、収入が閉ざされることに不安を持たざるを得ない立場は、とてもよくわかります。
 そういう主流から外れた方向性という点でも収入のリスクという点でも、個人的には思い入れを感じざるを得ない作品です。しかし、だからストレートに共感できるかというとそうでもなく、家族をこういう目にあわせちゃいかんよねとか、距離を置いて自分に言い聞かせる見方も、あわせて持ってしまうというか共感よりそちらに傾きがちでしたけど。

 実話に基づくという制約のためかとは思いますが、阿部サダヲ主演にしてはコミカルな場面がほとんどなく、展開としても極めてストレートで遊びがなく、映画としてはもう一ひねり欲しいなぁという感想を持ちました。
 映画作品としては、お義父さんちょっと可愛そうかな、もっと幸せにしてあげたかったなという気がします。
 リンゴ畑、せめてラストの方ではもっと青々とした元気いっぱいの下草が欲しかったなと思います。実話に基づくなら、撮影時期さえあわせればそういう画が撮れるはずなのに、ちょっと手抜きしてるんじゃない?と最後に思ってしまいます。

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