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2013年4月 6日 (土)

ザ・マスター

 新興宗教団体の指導者とのめり込んだ元兵士の愛憎を描いた映画「ザ・マスター」を見てきました。
 封切り3週目土曜日、TOHOシネマズシャンテスクリーン2(201席)午後1時40分の上映は7割くらいの入り。

 太平洋戦争末期を太平洋の島で過ごした海軍兵士フレディ・クエル(ホアキン・フェニックス)は、アルコール依存症で、終戦後写真家として働き始めるが、酒をやめられず客に暴力をふるい、仕事を失って放浪し、問題を起こし続けていた。ある日、忍び込んだ客船が、新興宗教「コーズ」が主催する結婚クルーズで、海軍時代に覚えた独特のカクテルで指導者ランカスター・ドッド(フィリッピ・シーモア・ホフマン)に気に入られたフレディは、ドッドと行動をともにするようになる。ドッドの妻ペギー(エイミー・アダムス)と娘らはフレディを疑うが…というお話。

 アルコール依存症で仕事を続けられずトラブルを引き起こし続け、友人の妹ドリスを思いながらまっすぐに進めずに逃げてしまい後悔するというフレディの挫折と苦渋に満ちた人生と行動スタイル、フレディに父親のようなまなざしを注ぐドッドとフレディの信頼と離反の愛憎劇の部分がメインで、新興宗教団体やその指導者像部分はそれを描く道具立てかなという感じでした。
 ストーリーとして追おうとすると、わかりにくかったり決着しないでそのままになる問題が多いように思え、今ひとつストンと落ちないところが残る感じがします。

 フレディの戦争末期の島での様子は、男だけの世界での欲求不満の塊のようで、ロールシャッハテストで見せられる絵がすべて性器に見えるとか、砂山で女性の裸体を作って腰を振るとか、まぁわかるけどそこまで頭の中がそればかりだったか、若い頃を思い出して赤面しつつも、どうだろうと思います。教団のパーティーでも、突然女性信者が全員全裸になって踊るシーンが出て来て、フレディの妄想だろうと思いますが、やっぱり男の性欲がむき出しの感じで、見ていてちょっと恥ずかしい。
 若い女性信者にモーションをかけられるドッドに洗面室で、浮気をするなら私にも私の知人にも知られないようにやりなさいと囁きつつ手でしごいて果てさせるペギーのしぐさと表情がすごいなぁと思いました。Hなシーンなんですが、それよりも夫を操る妻の手管というか凄みの方にドッキリです。

 仕事柄、ドッドがセラピーか洗脳かのテクニックとして、質問に対して即答する形式で尋問をするシーンがあり、ここでのドッドの尋問の仕方とフレディの回答の変化が、とても興味深く思いました。同じ質問を続けることによる心理的圧力、質問の流れによって相手を追い込んでいく組み立て、その中で最初ははぐらかし隠そうとしていたフレディが真実を答え、感情に溺れていく様が見応えがありました。ここのところ、もう少し突っ込んで時間をかけてくれると、私はうれしかったのですが。

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