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2012年8月16日 (木)

桐島、部活やめるってよ

 朝日新聞の広告で「ハリウッドよ、これが日本映画だ」と啖呵を切った学園もの映画「桐島、部活やめるってよ」を見てきました。
 封切り6日目お盆休み中の木曜日、シネ・リーブル池袋シアター1(180席)午前11時25分の上映は3~4割の入り。観客層の多数派は若者女性お友達コンビ、次いで若者カップルというところ。

 2学期のある金曜日、バレー部のエースで県の選抜に選ばれたばかりの万能のスター高校2年生桐島が学校を欠席し、部活をやめると言ったという噂が駆け巡り、桐島からそれを聞かされておらず連絡も取れない恋人の梨紗、親友の宏樹らは動揺する。バレー部では桐島のサブの小泉を日曜の試合に出場させるが敗北。映画甲子園で1次予選を突破したが2次予選で落ちた映画部の前田は、顧問の脚本を拒否して自分たちで撮りたい映画としてゾンビものを撮り始める。月曜日になっても姿を現さない桐島に関係者の焦燥感が高まり、火曜日、桐島を見たという情報に殺到するが・・・というお話。

 学園生活での何気ないできごとを複数の生徒からの視点で繰り返しながら、生徒たちの隠された思いや知られなかったできごとを描いていく、プチ「藪の中」(映画でいえばプチ「羅生門」)的手法の作品。おじさんには、同窓会で昔話をするうちに、へぇそんなことがあったのというような、学園生活のできごとの自分の知らなかった側面を後で気付くような、ノスタルジー目線で見る話に思えます。もちろん、そういうことは学園生活だけじゃなくて、自分の身の回りで似たようなことは今も起きているわけで、学園生活って、あるいは日常生活って、こういうものだ、自分が知らないところでいろいろな人がいろいろな思い・思惑を持っているんだ、自分が知っていることがすべてじゃない・・・そういうことを実感する映画ということになるのでしょう。
 異性へのあらわな視線と淡い思い、できるヤツへの羨望と諦め、こだわりと希望、そういったものが巧みに描き出されています。

 できるヤツは何でもできる、できないヤツはまるでダメというメッセージが見て取れ、男の目からは、女子はやっぱりイケメンの人気者になびいてしまうのねという僻みっぽい結論を導いているように思えます。かすみちゃんには、元バドミントン部としても期待してたんですけど。現実は厳しいですね。
 さまざまな意味で、高校時代を思い出させてくれる作品ですけど、女子はみんな恋愛第一みたいな描かれ方がちょっと気になりました。高校時代ってそうなんでしょうか。

 桐島をめぐる情報とその不在に影響を受けているのはバレー部と梨紗と宏樹、梨紗の友人で宏樹の恋人の沙奈、小泉の恋人(?)の実果くらいで、前田をはじめとする映画部、宏樹に片思いする吹奏楽部長の沢島、実果とコンビを組むかすみあたりは、桐島とは関係なく過ごしているだけだと思います。原作は読んでいませんので小説ではどうなっているのか知りませんが、映画を見る限り、全員が不在の桐島に振り回されるとか、桐島をめぐる事件から波紋が広がり「僕たちが日常だと信じていたものが、その日壊れはじめた」という公式サイトや映画紹介サイトでなされている表現は、あたらないと思います。

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