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2012年4月 1日 (日)

スーパー・チューズデー 正義を売った日

 アメリカ大統領予備選挙を描いた映画「スーパー・チューズデー 正義を売った日」を見てきました。
 封切り2日目映画サービスデイの日曜日、新宿ピカデリースクリーン6(232席)午前10時20分の上映は9割くらいの入り。観客層は中高年が多数派。

 民主党の大統領候補予備選挙では、ペンシルバニア州知事のモリス(ジョージ・クルーニー)とプルマン上院議員の一騎打ち状態になり、モリスがややリードして3月15日のスーパー・チューズデーを迎えようとしていた。共和党の候補は弱く、オハイオ州の予備選挙が事実上の大統領選と目されていた。モリス陣営の選挙参謀ポール(フィリップ・シーモア・ホフマン)の下で広報担当者として辣腕をふるっていたスティーヴン(ライアン・ゴズリング)は、ポールがモリスとは政治信条を異にするトンプソン上院議員(ジェフリー・ライト)への支持取りつけ工作に出かけている間に、プルマン陣営の選挙参謀ダフィ(ポール・ジアマッティ)から極秘に会いたいと言われて会い、トンプソンはプルマンが国務長官の椅子を約束して説得済みでオハイオではプルマンが勝つと言われ、引き抜きの誘いを受けて断ったもののそのことをポールにすぐに報告せず、スタッフのモリー(エヴァン・レイチェル・ウッド)と関係を持ってしまう。後でスティーヴンからダフィと会ったことの報告を受けたポールは、選挙中に敵陣の選挙参謀と会ってそれをすぐに報告しなかったスティーヴンの忠誠心のなさに怒り、すぐに報告しなかったことでトンプソンを通じてモリス陣営の戦略がプルマン陣営に筒抜けになったことを指摘して、スティーヴンを解雇した。モリーとのベッドイン中に間違えてモリーの携帯に出てモリスの弱みを握ったスティーヴンはその情報を持ってダフィの下に走るが、ダフィにプルマン陣営入りを拒否され、復讐心に燃えるスティーヴンは・・・というお話。

 リベラルで信念を持つ政治家モリスの選挙戦での妥協と、選挙スタッフとの不倫という隠された顔、当初は理想に燃えていたスティーヴンが自分の保身のためなら何でもする男に変貌していく様子という2つの転落・表裏が、中心的なストーリーを形成しています。
 最初は上司のポールを「選挙のためなら何でもする男」と評し、自分はモリスのためなら何でもするがとおどけていたものの、モリスの弱みを握りモリス陣営を解雇されると、モリスを敵に売ることも、モリスを脅すことも何とも思わない人物へと変貌を遂げるスティーヴンは、スターウォーズのダースベーダーのよう。でも、この人、モリーの携帯に最初に出たのは勘違いとしても、携帯を返さず誰だと問い詰めてコールバックすると脅し本当にコールバックして相手を知るとか、自分自身も少なくとも2度関係を持ちながら堕胎費用900ドルが出せないモリーに対して選挙事務所の会計に資金をごまかすように命じた上で事務所の会計から1800ドル渡して900ドルで堕胎して残りで故郷に帰れと命じるなど、もともとかなり性格悪い。自分も関係を持ってるんだし900ドル(7万5000円程度)くらいポケットマネーで出したらどうかとも思いますし。ましてやモリーが自殺したのは、スティーヴンがモリーを選挙事務所から追い出し産婦人科に放置したあげくにスティーヴンが敵陣に寝返ったと聞いてモリスとのことが公表されるとモリーが思ったためで、大部分がスティーヴンのせい。それでモリーの葬儀に平気な顔で出席して、モリーのことでモリスを脅せる神経は、とても人間のものとは思えません。ポールの清濁併せ呑む姿やモリスの行動、さらに言えばダフィの策略でさえ、清潔とはいえないもののまだ理解できる範囲ですが、スティーヴンについては共感できるところがほとんどありませんでした(スティーヴンが不満に思う解雇にしても、自分の落ち度によるものの上、自分だってモリーにリスクがあると知るやモリーを事実上解雇してるし。モリスに対してスタッフと寝てはいけないって言ったって、自分もしてるし)。
 ラスト近く、スティーヴンの後釜の広報担当者に座ったベンに、「ジル・モリス」と名乗る新たな選挙スタッフが絡むシーンは、同じようなスキャンダルの繰り返しを示唆しています。男と女がいる限り、セックススキャンダルの種は尽きまじというところでしょうか。これだけセクシュアル・ハラスメントとコンプライアンスの必要性が浸透した今、部下に性的な感情を抱かない/抱いてはいけないのは組織人として初歩的な心得だと思うのですが。

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