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2011年11月26日 (土)

いちご白書 デジタルリマスター版

 ノンポリ青年が学園闘争に入り込みながら女性活動家に惹かれていく姿を描いた青春映画(1970年作品)のニュープリント公開「いちご白書」を見てきました。
 封切り2週目土曜日、全国唯一の上映館新宿武蔵野館の1番スクリーン(133席)午前10時40分の上映は3~4割くらいの入り。

 ボート部で訓練に励むサイモン(ブルース・デイヴィソン)が通う大学では、大学が児童公園を封鎖して軍隊に関連する建物を建てようとしていることからこれに反対する学生たちがストライキを決行し大学を占拠していた。サイモンは学園闘争には関心を持っていなかったが、ルームメイトが連れ込んだ女子学生から参加を勧められ、占拠された建物に入り、女性解放活動家だというリンダ(キム・ダービー)に惹かれ、2人で食糧調達に行ったことをきっかけに親しくなる。リンダは、コンサートに誘い求愛するサイモンに対して、このまま受け入れるのはブルジョア的だと批判して、いったんはサイモンの前から姿を消す。その後、サイモンは次第に闘争にのめり込み、再び現れたリンダとともに行動での座り込みを続けるが大学側は武装警官隊と州兵を動員して暴力的に排除を始め・・・というお話。

 映画は見たことがなくて(公開時は私は10歳)、麻生よう子の「逃避行」が売れたときに盗作疑惑で話題になったのと、バンバンの「いちご白書をもう一度」が頭に残っていただけです。
 実は学園闘争に全然関心がなくもちろん経験もないのに、これまでに何度か逮捕されたとか見栄を張り、ボート部の仲間(反共サイドでストライキに反対)に殴られたのを警官に殴られたと装って英雄になるサイモンの背伸びぶりが、いかにも青春映画っぽい。(「英雄へのご褒美」は、制作側の妄想っぽい感じもしますが、こういうご褒美があるなら装ってみたいかも)
 そういうサイモンが背伸びをしながら学園闘争にのめり込んでいき、最後に警官隊に警棒で滅多打ちにされるリンダを助けに飛び込むあたりは、「卒業」への意識があるのかも。
 他方、ノンポリ学生だったサイモンと対照的に普通の映画記事では活動家と紹介されるリンダですが、どうなんでしょう、私には経験のある活動家ではなくて、やはり最近入ってきた女子学生が背伸び気味に活動しているように見えました。だいたい初っぱなから、「女性解放活動家」が、当時流行っていたとはいえ超ミニスカートを穿いて、あんなコケティッシュなしぐさで話をするでしょうか。2人で食糧を調達した帰りのはしゃぎぶりも。女性解放活動家なら、こういう姿は男に媚びを売っていると評価するでしょうし、自己嫌悪に陥ると思うのですが。
 そういうむしろごく普通の、政治にあまり関心のなかった学生が(最初から女子学生目当てでストライキに参加するサイモンのルームメイトも含め)、それほど気負わずに闘争に入り込んでいった、さらにいえば食料品店のおやじのように陰ながら支援してくれる市民たちが多数いたという闘争の広がり、裾野の広さをこそ味わうべき映画なんだなと思います。大学当局・警官隊の暴力という権力の横暴への怒りとそれが広く共有されていた時代の雰囲気とともに。

 1960年生まれの私が大学に入ったのは1978年で、世間では学園闘争は終結していましたが、京都大学は、それこそガラパゴスのように1970年頃の雰囲気が残り(もちろん闘争に参加している学生はごく少数派でしたが)、いくつかの建物がまだ学生に占拠され続けていました(大学側にも特に取り戻そうという姿勢も見られませんでした)。久しぶりにその頃の様子を思い出させてくれました(その頃の話はこちら)。「バリケードに咲いた恋」は、当時学生運動参加者の間でもすでにジョークとなっていて、そういういい思いの経験はありませんが。
 集会で学生がノー・ニュークス(反核)のマークに人文字を作ってシュプレヒコールを上げているシーンが何度かあり、改めてこの頃から運動が続いているのだなぁという感慨を持ちました。

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