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2011年9月18日 (日)

ハウスメイド

 韓国映画史に残る名作映画「下女」(1960年)のリメイク版「ハウスメイド」を見てきました。
 封切り4週目日曜日、全国10館、東京2館の上映館の1つシネマスクエアとうきゅうの午前11時の上映は2割くらいの入り。観客は、韓流ファン層を反映してでしょう。中高年中心。

 何不自由なく何でも手に入れてきた御曹司フン(イ・ジョンジェ)と双子を妊娠中の身重の妻ヘラ(ソウ)と6歳の娘ナミ、ヘラの母が住む超豪邸に住み込みの家政婦として働くことになったウニ(チョン・ドヨン)は、ナミに慕われつつ老家政婦ビョンシク(ユン・ヨジョン)の指示の下で夫婦の食事やヘラの身の回りの世話などをこなしていたが、一家で別荘で過ごした夜に身重の妻とのセックスで満足できなかったフンが寝室を訪れて誘惑されてフンと肉体関係を持ってしまう。豪邸に帰った後も寝室を訪ねるフンをウニも全裸で待ち、2人の情事は続き、ビョンシクは2人の関係を知るとともに、ウニの食事の嗜好や態度の変化からウニよりも早くウニの妊娠に気付いてしまい、ヘラの母に注進した。フンは平然と小切手を切ってウニとの関係をそれで済まそうとし、ウニもそういうものと落胆しつつ受け入れていたが、子どもを産まれて後から巨額の請求をされてはと不安に思ったヘラの母はシャンデリアの掃除中のウニの乗るはしごを押し倒してウニを階下に落下させ、それでもウニが軽傷で回復するとヘラがウニに毒を盛って流産を図り、ウニは復讐に燃え・・・というお話。

 問題の発端となるフンとウニの関係のスタートですが、雇い主のフンが求めているけれども、ウニの側も割と能動的に描かれています。雇い主と家政婦という関係からの圧力と、御曹司への興味なり恋人のいない身での火遊び・欲望なりがウニの中でどう働いたか、読みにくい映像になっています。これを主従・上下関係での強制的契機を隠蔽・曖昧化するものと評価すべきか、女性の性的な自己決定が強くなっていることを表現したと評価すべきか・・・
 いかにもご主人様が手をつけました的な構図が弱められた結果、ストーリー上は、女の戦い的な展開が軸になっていきます。特にヘラの母、怖い。
 宣伝文句通り、「驚愕の結末」ではありますが、すっきりもしませんし感動もしません。文字通りラストが(ラスト前ではなく)一番ホラーでしょうけど。
 映画のテーマは、むしろ上流階級の連中の傲慢さ・冷酷さ・非人間性・懲りなさ加減にあり、そちらの方がしみじみと感じられます。
 迫害される庶民側としては、ウニよりも、陰で主人の悪口を言い愚痴をこぼし続け、しかしヘラの母にご注進し、ウニの境遇にも同情しと揺れ動くビョンシクの方に様々な思いが乗せられている感じがしました。

 冒頭の繁華街での若い女性の飛び降り自殺と飲食店の調理場から出てきてそれを見るウニのシーンがけっこう長々と続き、これはどうストーリーにつながるのかと思いましたが、結局よくわかりませんでした。飛び降りた女性は誰だったのでしょう。ウニの前任者のハウスメイドだったとかなら話はわかりますが(それじゃ、「ゴーストライター」だって)、そうでもないようですし。
 ウニが女友達と1つのベッドで寝ている(抱き合っているように見えましたが:それにしても友達のおなかが立派だった)シーンとか、別荘に向かう雪の中での放尿シーンとか、ウニの人物設定のディテールなのかもしれませんが、文化事情の違いかもしれませんけど、今ひとつ何のためなのか何を描きたいのかよくわかりませんでした。
 そういうところや象徴として多用される入浴シーンも含め37歳のチョン・ドヨンの裸体が度々登場する映画ですが、口で・・・という言葉が多用される映画でもありました。久しぶりにビルとモニカの「不適切な関係 “inappropriate relationship”」を思い出してしまいました。そのあたりがR15+指定の理由かなと思います。

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